芝居にフォーカシングが活かせた症例

※ご本人の許可を得て書いています。

芝居の稽古中での出来事。
声が出ていなくて、明らかに発声の仕方がおかしいなと思う子が居ました。
丹由美子ちゃん。
tan
喉を痛めていて声が出ないとかじゃなくて。
顔を前に突き出すようにして、
喉からしか声が出ていなくて、見ていてしんどそうでした。
それで大きな声を出せと言っても無理でしょうという状態。

休憩時間に私は彼女に
「声の出し方がおかしい、それではしんどいでしょう。
私に施術させて」と言いました。

すると彼女は
「普段はお腹から声が出てるんだけど、
役になると、なんかこの辺(喉の少し下あたりを触りながら)に
壁が出来るんです。」

それを聞くまでは、
施術すると言ってもチャクラの掃除をすればいいのか
整体をすればいいのか等、
まだ考えてはいなかったのだけど、
その彼女の言葉を聞いてすぐに
『フォーカシングやな』と思いました。

※フォーカシングとは、ご本人に、体の感じに深く注意を向けて貰うことで、意識では気づいていない深い部分の自分に気づいてもらう心理療法(カウンセリング)です。施術者はご本人に寄り添い、大事な言葉を返して確認してもらったり、ご本人のフォーカシングが進むような質問をしていきます。

壁のようなものを
よく感じて貰ったり観察していただくための
質問をしていきました。
「壁っておっしゃいましたが
壁という言葉でピッタリですか?」とか
「どういう感じのものか、
もっと詳しく教えて頂けますか?」とか
「その感じはあなたに何か伝えたい事があるようですか?」とか
そんな質問をしていくうちに

彼女は深く観察して、
その壁のようなものからのメッセージを受け取り
納得したようでした。施術時間10分位かな。

そして次の稽古からは発声の仕方がすっかり変わって
大きな声が出るようになっていました。
セリフを言う時に顔が前にでていたのも治っていました。

フォーカシングを、芝居を良くすることに活かせて
嬉しかったです。

※丹由美子ちゃん、掲載許可ありがとう。