関西人間関係研究センター(KNC)主催のフォーカシングセミナー2014年9月~2015年2月までの全10回コース参加し、無事に終了。
フォーカシングとは、ご本人に、体の感じに深く注意を向けて貰うことで、意識では気づいていない深い部分の自分に気づいてもらうカウンセリング方法です。施術者はご本人に寄り添い、大事な言葉を返して確認してもらったり、
ご本人のフォーカシングが進むような質問をしていきます。
写真は最後の日に、教材の余りを頂いたもの。(おみやげに紙粘土を貰って23才の息子は大いに喜んだのでした)10回中、これ以外に撮った写真が無かったんです(^_^;)
バナナ
講師は10回中2回が池見陽(いけみあきら)先生で、他の8回は滝川道子先生・柳本節子先生・銅直優子先生でした。
6回目くらいの時かなあ、池見先生が、「この講座の『感じ』を食べ物で言うならどんな感じですか?」とお聞きになった時に、私は「バナナ」と答えていました。
食べ物って聞かれたのに、私はなぜか果物限定で考えていたのです。柑橘系ではないなあ・・・バナナだ!みたいな。
私にとっては・・・リラックスする感じ。自由で、ゆるい、ふんわりした感じ。決して無理強いされない、嫌なことは嫌と言っていい、決して否定されない、楽な空間。そんな感じでした。
その日の講座の時間を『今日はどのようにすごしたいですか?』そんなところから始まる講座は初めてでした。
毎回、始まる前より、帰りの方が体と心が軽くなっていました。得られたことを翌日からすぐに施術に生かせていけましたし、参加できて本当に良かったです。
下腹部の痛み
何回目の時だったか忘れましたが、大きかった出来事を書きます。数年前から左下腹部に違和感や痛みが出たり引いたりしていました。病院では長いこと異常なしと言われてましたが、1年半くらい前に、子宮筋腫があると言われまして。小さくても症状が出る人、大きくても症状が出ない人、いろいろあるそうですが・・・。ストレスのかかり具合や、生理周期によって、たまに強く痛む時がありました。
その日は痛みが強かったのです。
講師「今日はどんな感じですか?」
私「左下腹部が痛くてフェルトセンスを感じるどころじゃないです」
講師「それでいいですよ」
そして、そこの痛みをよく感じるところからフォーカシングの誘導をして頂いたのです。
フェルトセンスというのは体の内側に注意を向けた時に感じる一種の感覚的なものなのですが、肉体的な痛みやコリとは別物だそうです。
講師「その痛みの感じを体全体で表現すると、どんなふうになるかやってみてくれませんか?」
ーーーーーーこのやり方が、私という人間にはピッタリ合っていたのでしょう。
(合わない人もいるのかもしれませんが)
私「うー・・・ってこう・・・こんな感じ」
私は椅子に座ったまま両手をグーにして、うつむいて丸くなりました。
その途端、なぜか涙が出てきました。幼少期の感情が出てきたり、以前に受けた かのうせいカイロプラクティックの齊藤先生のところで、施術してもらった時に出てきたのと同じ言葉がまた浮かびました。
その後、椅子に座っていられなくなり床に寝転がって胎児のような姿勢をとっていました。
その前後で、私が答えたことはあんまり覚えていません。何かに気づいたとかハッキリと言える内容もありません。
でもそのセッションの後、下腹部の痛みはスッカリ軽くなっていました。その後ニヶ月以上たちますが・・・痛みや違和感の出方は、その日を境にハッキリと軽減、大きく変化しています。
そして、そのセッションを振り返ってみて大きかったこと、記事にしておきたいと思うことがあります。
講師「その感じに対して『わかったよ、ありがとう』と言って下さい」
私「いいえ、まだわかってないから、それは言えません」
・・・セラピストの指示に対して、私はNOを言ったのです。
するとセラピストである講師の先生はそれに応じてくれて、さらにフォーカシングの質問を続けて下さり、しばらくしてから・・・・
私「今なら『わかったよ、ありがとう』って言えます」
(いったい何がわかったのか、後になっては思い出せません。それだけ、言語化出来ない感じ、何か無意識が動いた感じだったのだと思います。)
最初に『まだわかってないんだけどなー』と思いながら、NOと言わずに指示に従っていたら、私の下腹部の痛みはここまで変化していなかったと思います。
大きかったと思う事は、クライアントが、セラピストに安心して「NO」を言える関係性。それを言っても受け入れて貰えるセラピストだという信頼関係と安心感があったこと、です。
講義の中で、
「『こういう質問をして下さい』とクライアントからリクエストしても良いんですよ。」
「無理はしないで下さい」
そんなふうに教えて頂いていた事や、有言実行されている講師の方々の態度、全体の空気。
自分の仕事のためにも、凄く貴重な体験をさせて頂いたのでした。
セラピストである講師の先生が最初に「わかったよ、ありがとう、と言ってください」と言ったタイミングは、クライアントである私にとっては違ったんです。
だからこそ、貴重な体験が出来た。トータルで見ると物事はいいように進むものなんだなあ、ということも。
セラピストが感じ取ることに間違いがあってもいい。「提案」があることで「少し違うかな、もっとこう、ええっと・・・」ってクライアントの頭の人とお腹の人を繋げるという、本来の目的が進むわけです。
「私はこう感じるんですが、いかがですか?」という言い方や態度だと、セラピストの発言に反応して、クライアントさんのお腹の人と頭の人が話をしだすんです。でも、「あなた、こうですよね。」と言い切ってしまうとクライアントさんのお腹の人と頭の人が話をする機会を失うのだと思います。
間違えないことよりも、決めつけないこと、謙虚さがいかに大切かという体験でもありました。
他にも毎回、面白いことがたくさんありましたが、今回はこのへんで。